当院では、オリンパス製の最新の血管シーリングシステムを導入しており、体の中に極力糸を残さない手術をしております。
また、これにより手術時間が大幅に短縮され、動物の負担が軽減されます。

術後衣について

術後の傷口の保護のために、術後衣をレンタルでご用意しています。
これにより、従来のエリザベスカラーによるワンちゃんのストレスをなくしました。
(ネコおよび中・大型犬には、使用できない場合があります)

犬と猫の発情

犬猫ともに生後約6ヶ月から発情が始まります。

メス犬の場合約半年に1回、約6〜10日間陰部からの出血があり、その後オス犬を許容し交尾可能な期間が5〜20日間続きます。

メス猫の場合は、日照時間が長くなる春から発情が始まり日照時間が短くなる秋に終結します。

このような発情行動が7〜10日間続いた後、交尾がなければ一旦発情行動は消失します。これを2〜3週間の間隔で繰り返します。

オスには決まった発情期間はなく、メスの発情の刺激で発情します。

避妊手術

当院では子宮と卵巣を完全に取り除く手術を行います。そのため手術後は発情・妊娠することはありません。また、避妊手術をすることで、子宮蓄膿症卵巣腫瘍になる可能性はなくなりなりますし、乳腺腫瘍などの性ホルモンが関係する病気を防ぐことができます。特に初回発情がくるまでに避妊手術をすれば90%以上の確率で乳腺腫瘍を防ぐこが出来るといわれています。この乳腺腫瘍は猫の場合ほぼ悪性であるため、これらの病気を予防する意味でも避妊手術をおすすめしています。
また避妊手術をしていないメス犬の場合、発情が終了した後に「偽妊娠(ぎにんしん)」を起こすことがあります。妊娠していないのに乳腺が腫大してしまう(張る)・食欲が低下する・神経質になるおもちゃをかわいがって離さないなど、妊娠犬のような兆候が続きます。食欲低下や神経質になるなどは発情中でもみられメス犬にとってストレスになる為、避妊手術をする事で発情のストレスから開放してあげることができます。

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去勢手術

精巣を摘出する手術です。オスの場合、望まれない交配を避ける目的はもちろんのこと、病気や問題行動の抑制が目的で手術を希望される場合が多いです。
去勢手術をする事で前立腺肥大症、精巣腫瘍(特に潜在精巣の場合、腫瘍化する確立が高くなるといわれています)、会陰(えいん)ヘルニア、肛門周囲腺腫などの性ホルモンに関連した病気を防ぐことが出来るといわれています。
性ホルモンに関連した問題行動として、あちこちにおしっこをかけるマーキング行動がよく知られています。特に猫はとても臭いおしっこをかけます。脱走・放浪する事で、交通事故やケンカ・咬傷事故の可能性があります。(猫の場合、猫エイズなど主にケンカで伝染する病気もあります。)また、犬では飼い主や物へのマウンティング行動(性行動)があります。これらの問題行動は一度学習してしまうと、去勢手術をしてホルモン分泌がなくなった後も治まらない場合がありますが、始まるまでに手術をすれば90%の割合で防ぐことが出来るので、早期の手術をお勧めします。

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避妊・去勢 手術後

避妊・去勢手術の欠点は、手術後肥満になりやすいという事です。
体のホルモンバランスの変化により、活動性が低下します。行動範囲が狭まることからも運動量が減り、また基礎代謝量も減少する為、1日の必要カロリー量が減ります。しかし食欲は逆に増加する傾向にあるため、その子の食欲にあわせて食事を与えていると太ってしまうのです。
手術後は適切な食事管理と適度な運動で肥満を予防することがとても大切です。
当院では避妊・去勢後の体重管理に適したフードをご用意しております。

※潜在精巣について

通常精巣は胎児の時期にはおなかの中に存在します。これが成長とともに移動し、最終的には生後1ヶ月くらいまでの間に陰嚢(いんのう)内に入り込みます。しかし下降が起きず、そけい部〜腹腔内に精巣が残った状態を潜在精巣または停留精巣といいます。
潜在精巣にはおなかの中(腹腔内)に残っている場合と、途中まで移動して皮膚の下に触ることができる場合とがあります。しかしいずれの場合も陰嚢内に精巣がきちんと収まった場合と比較して精巣が腫瘍化する可能性が高くなり、皮下の場合では正常の5倍、腹腔内の場合では正常の10倍近くなります。特に腹腔内潜在精巣では、精巣の形や大きさが外見からはまったく分からないため、腫瘍が進行して大きくなるまで見つからないこともあります。

腹腔内潜在精巣の場合メスと同様に開腹手術になりますので手術としては少し大きな手術になってしまいますが、高齢になってからの腫瘍化や手術時の麻酔の危険を考えれば元気な時に手術を受けられることをお勧めします。                                                             

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