症例紹介
椎間板ヘルニア・・・レモンちゃんの場合
椎間板ヘルニアのM.ダックスの子に他家幹細胞治療を行いました。
詳しくはこちらをご覧ください。
椎間板ヘルニア・・・リクちゃんの場合
椎間板ヘルニアのトイ・プードルの子に他家幹細胞治療を行いました。
詳しくはこちらをご覧ください。
再生医療とは?
ヒトの医療では、厚生労働省の先進医療に認定され、すでに大学病院などで利用が始まっています。
当院では、脊髄疾患や免疫疾患などに効果が期待できる「幹細胞療法」と、
腫瘍性疾患に対して行う「活性化リンパ球療法」の治療を行っています。
幹細胞療法について
動物の体には、さまざまな器官に変身することのできる(分化する)細胞が存在します。これを幹細胞と呼びます。
分化する能力は細胞の種類によって違います。
分化できる万能さによって、全能性、多能性、複能性、単能性幹細胞と区別されます。
たとえば全能性幹細胞の例は受精卵、多能性幹細胞はiPS細胞やES細胞と呼ばれ、ヒト医療で以前から注目されています。
皮下脂肪の中には、完全に分化し終えていない幹細胞が少量含まれていることが分かっています。
当院で行う幹細胞療法とは、この皮下脂肪由来の幹細胞を使った方法です。この幹細胞は複能性幹細胞に分類され、骨や軟骨、筋肉や心筋細胞、そして血管を形作る細胞に分化することができます。
この幹細胞を増やし、動物に投与することで、炎症系の疾患を中心に治療を行っています。
当院ではすぐに治療ができるよう細胞をストックしています。
自家幹細胞療法の場合、動物を全身麻酔して脂肪を少しとり、2週間かけて幹細胞を培養し、細胞を投与します。体重によりますが、1回の培養で2~3回分の細胞がストックできることもあります。しかし、治療を始めようと思っても、少なくとも2週間はかかるというデメリットがあります。
他家幹細胞療法の場合、病院であらかじめ冷凍保存しておいた細胞を解凍して投与するので、即日で治療を受けられます。また、自家幹細胞と比べても、細胞を修復する力は大きく変わりません。
当院ではこの他家幹細胞をおすすめしており、常に一定量の細胞を凍結保存しています。
治療の対象となる主な症状
- 椎間板ヘルニアなどで足が立たない、または痛みがありキャンキャンと鳴く子
- 交通事故等で下半身麻痺がある子や、骨折の癒合不全など
- 自己免疫疾患
- 慢性腎不全
- 関節炎
椎間板ヘルニア・脊椎損傷の新しい治療方法をご提案できます。
椎間板ヘルニアは、症状(痛みや後ろ足の麻痺など)がまだ軽いうちであれば、飲み薬で治療をおこないます。症状があまり改善しない場合や症状が重度の場合には、麻酔をかけて手術を行います。
幹細胞療法は、第三の治療方法としての新しい選択肢です。麻痺が進行した子でも、幹細胞療法による治療が奏功しています。(椎間板ヘルニグレード4で80%、グレード5で50%の反応率と言われています)
もちろん、現在の獣医学では椎間板ヘルニアの重症例は手術が第一選択ですし、当院でも手術を主軸に治療を提案させていただいております。
しかし、手術を強く希望されない飼い主様には、これまでは何もできなかったので、幹細胞治療は飼い主様にとって非常に有益な選択肢になると思います。